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「うまい、
そっくりだ」
社長はそういって満面の笑みを浮かべてオレを見たので、
オレもほっとした。
そして恵子はそのままいい調子で歌い続けた。
「ああ~あ~津軽海峡 ふ~ゆ げ~しき~」
顔の前に持ってきた左手で遠くを指すしぐさや、
目を細め見上げるような素振りまで石川さゆり
にそっくりだ。
社長は腕組みをし、
酔っ払った赤ら顔をまん丸にして、
嬉しそうにうんうんと頷いていた。
こいつも偶にはやるなと感心したのもそこまでだった。
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