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どこで用意したのか、
携帯用のカラオケセットとマイクを持って浴衣姿で静々と出てきた。
隆志の顔は緊張して強張った。
森永がカラオケセットのスイッチを押すと「津軽海峡冬景色」の前奏が始まった。
社長は大喜びで拍手をした。
心の中ではらはらとしながらも、
ここまで行ってしまったのだから、
何とかうまく終わって
欲しいと願っていた。
確かにこいつの歌はうまい。
本当は歌手になるつもりだったといっていたが、
ただのカラオケ好きだろう。
伴奏が始まると、
ゆっくりシナを作りながら空を見上げるようにそっと顔をあげ、
遠くを
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