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 少し遅れて… この丘にむかう二人の青年。 一人は岩のような体躯で、 筋肉の鎧を纏っているかのよう。 もう一人は一見細身にも見えるが、しなやかな筋肉を薄く羽織っているかのようであった。 「少し待ってくださいよ…。」 「……。」 「陸皇丸っ… りくおうまるっ!」 「ん…? どうした疲れたのか?」 しかし、歩みを止めようとはせず 「…私の話しをちゃんと聞いていましたか?」 「…? なんだったかな」 「まったく… あなたって人は…」 「ですから、アレとの戦い方を…」 少し後ろからの声に、気にした風もなく その目は前方をみつめていた。 ふいに海湟丸の話しを遮り、一言… 「おぉいぃっ!」 と、同時に『それ』は動いた。
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