第一章「ゲーセンの王者」

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とあるゲームセンター。 「おい…あいつ、すごくね?」 「ああ…もうかれこれ20曲くらいやってるけど、全部難易度おに、しかもフルコンボだ…」 「何者なんだ、あいつ…」 俺の姿を見たやつは、みんなこんな反応をする。 そりゃそうだ。なんたって俺はこの「太鼓の達人」に全てを賭けているといっても過言じゃない。お前らみたいな一般人とはやりこみの量と質が違うってもんだ! 「おいおい月華、いいかげんそのへんにしとけよ…」 「な~に言ってんだよ、やっと調子が出てきたのに」 「そういうことじゃなくて、お前そのへんでやめとかないと、明日からの金なくなるぞ?」 「いざとなったら貯金おろすからだいじょぶだいじょぶ!」 「はあ?バカかお前は、ほら、そのへんにしてさっさと出るぞ!」 「あ、おい待てっつの」 「いいから出ろ!」 無理矢理ゲームセンターから引きずり出された。
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