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「──…であるからして、これから卒業する君達に三つ言いたいことがあります。」
「…。」
何でこうも偉い人は話したがりなのか。
どうせ言うことなんて台本でもあるんじゃないかって位にありふれてる。
夢をだとか、友達をだとか、どうせじぶんに酔いしれて語ってるんだろうな。
「君達の未来は幾らでも選べるんだ。」
選べないだろ。
「一人一人に可能性が、」
ないよ。
「努力次第で出来ないことなんて、」
あるよ。
頭の中で言葉を打ち返して暇を潰す。
何とも我ながら滑稽な暇潰しだと思ってる。
ただ理想を語るのは構わないが夢は叶うと希望を持ったけど打ち砕かれる身にもなってもらいたい。
「本当…、嘘ばっかだ。」
「黒瀧。静かにしないか。」
呟く言葉にわざわざ反応してくれた担任が俺に歩み寄ってきた。
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