第1章

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以前書いた事だが、女性の遺伝子は、アフリカの1人の女性に行き着き、これをイブ仮説という。 血統の話の中で、必ずサラブレッドの話が出るのは、血統を理解するのに判り易いからだ。 サラブレッドは、6才になればもう十分に交配の対象になり、その血脈は血統書に記載される。 人間は60才でやっと3代が良い所だが、サラブレッドは10代を経ていてもおかしくない。 サラブレッドの歴史がざっと4百年だから、もう最低でも70代を重ねている事になる。 人間が百年に4代だとしたら、人間に直せば、サラブレッドは1700年前の先祖から判っている事になり、サラブレッドの始祖は3つの男系に遡る事ができる。(それが3大始祖と呼ばれている。) では女系は? 残念な事に、素晴らしい成績を残した女系も、数代で埋没してしまう。 ある女系から、大レースを勝ちまくる名馬は、数代で居無くなってしまうのだ。 だからどうしても男系が血統の主役になるのだが、この女系が埋没する理由を少し考えてみると、女系が優秀でも1代で産める子は限られる事と、女系が優秀で居られる相手との相性が在るのだと思う。 マラソンの優秀な女性ランナーが、優秀なマラソンランナーと結婚し、優秀なマラソンランナーを産む。 その女性ランナーが又マラソンランナーと結婚し、優秀なマラソンランナーを産む。 これを数代も繰り返していると、耐久力抜群のマラソンランナーは生まれても、スピードの面で対応出来なくなる。そんな感じなのだと思うのだ。 だから埋没した後で、スピードの血筋を受け入れたら、再び復活する事もある。 男系は、数多く毎年生まれる。 強烈な遺伝子の保持者は、そこで子供が大レースを勝ちまくる。 その男系の中から、又強烈な遺伝子の保持者が生まれ……… こうして男系主体の血統ができ、それがサラブレッドの血統だ。 女系の遺伝子が埋没するから、主体になれないだけで、劣っている訳では無いのだが、サラブレッドの芦毛(白い馬)のように、それだけで先祖が判るという男系のような訳にはならないし、大きな理由は埋没するからだ。 マラソンランナーの例えに戻れば、男系ランナーはスピードの遺伝子を持つ女系と出会うかも知れないし、強烈な遺伝子の能力が、優秀なマラソンランナーを産む可能性もある。
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