第1章

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姓=相続の問題だと考えると、天皇家が女系を認めるかどうかという議論にも関わる事がわかる。 養子を迎えて相続させるという場合、それは最低でもある程度の資産が有る家庭であり、大名家や大商店がかっては養子を活用した。 その場合でも、大名家は同じ大名家の子供を養子にしたし(高級旗本等の場合も)大商店の場合は、才知がある人間であり、大商店に務められるだけの、身元がはっきりしているという事実がある。 つまり、養子になるにも、それなりの家柄が必要だという事なのだ。 カリスマの継続=姓の継続と考えた場合でも、それなりの家柄という縛りがある事がわかる。 では、天皇家なら? 結婚相手のハードルは、男系に比べても滅茶苦茶高い事が理解出来るだろう。 このハードルは、下げれば下げるほどカリスマが失われる。 ヨーロッパの王室は、イギリスはオランダ系だし、スエーデンはナポレオンの将軍だった人の子孫であり、国民とは最初から民族的には違う。 だから、相続争いが無ければ良いのであり、イギリスがヴィクトリア女王の時に最盛期を向かえた事もあり、国民はこだわりは無いのだが、王室は常に国民の支持を求める事になる。 様々な事を書いてきたが、男系女系の論議の中で、常に語られる事が、いかに国民の相続を含む伝統を無視した議論かは、ご理解頂けたかと思う。 天皇家の相続とは、カリスマの相続だという事を、もう一度しっかり考えて頂きたい。 カリスマの事を理解するには、小室直樹氏の一連の著書をお勧めしたい
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