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本当に容赦ない。
「う。ごめんなさい…」
「まあいいけど。ちっと線引きすべきじゃないのか。身がもたねーだろ」
非難より、心配する気持ちが強いことに、ミナは少しほっとする。
「今回は不当なことが行われていたから。正しいことがしたかったわけじゃないんだけど…クリセイド様の気持ちに沿いたくて」
一同がそれぞれの溜め息をつく。
「ミナは思いやりがあるのですわ。わたくし、宿で休めてちょうどよかったですわ」
サリの言葉に、ファイナが仕方なさそうに笑う。
「まあ、そういう考え方もできるか」
「おまえらは甘い!そんなだから調子に乗るんだろ」
アルの言葉にミナはまた小さくなる。
「うう…調子に乗ってました。だって出来ることがあるんだもん…、嬉しくてつい」
「まあまあ…俺たちも、頼まれもしないのにファランツで子供を助けたろ」
カィンが仕方なく取り成す。
「あれは仕方ないだろ、目に付いたんだから」
「同じことだろ」
「まあまあ、とにかく無事でよかった。ミナもあまり心配をかけるものじゃないよ」
ライネスの言葉に、ミナはそっと視線をそらして、はい…、と小さく言った。
こいつは…、と男性陣は呆れるが、それ以上は追及しなかった。
酒は最初の一杯だけだったものの、賑やかになった夕食はやがて終わり、一行は談話室で話の続きをしたあと、部屋に戻った。
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