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「ちょっと待って。…それで、今カザフィスでも酪農と果物でやっているけど、ザクォーネとは漁業に関する情報交換をしたいと思ってる。これは具体的なことが判っていないので、一度あちらに先遣隊を送る」 アークは顔を上げた。 「既にザクォーネ国王から、近々アルシュファイドに来られる旨、書簡により受け取っているわ。その前に、こちらから漁業関係者と薬師と医師を送り、その結果を見て交渉する」 アークはユラ-カグナを見た。 「手配は済んでる?」 「ああ、済んでいる。あとは護衛の騎士だが」 ユラ-カグナがシィンを見ると、頷きを返す。 「決まった」 アークは満足して頷き、次はイファハだけど、と言ってミナを見た。 「第三王子からの書簡は受け取ったわ。あちらも近々こちらに来られるそうよ。交渉はそれからだけど、幾人かの商人には連絡を取って、条件がよければイファハにも商品を流す準備ができると聞いているわ」 そこまで言って、アークはシィンたち彩石騎士を見た。 「イファハがリンシャ、チタにかけあって、輸送のための道を通せると判った時点で、こちらは航路を確保する。彩石騎士にも、海賊掃討にあたってもらう」 「分かった」 アルが言い、ファイナとカィンとスーが頷く。 アークは息を吐き、集まる者たちを見回した。 「こんなところよ。みんなよろしく頼むわ。で、今後のミナの予定だけど、3日休んで半の日は採石に行ってもらう。結界石と、ハイデル騎士団と護衛団の彩石を探して」 「分かりました」 「そして週末休んで、来週暁の日から、国内巡視に行ってもらう」 アークはミナとムトを順に見た。 「承知した」 ムトが言い、アークは頷いた。 「サリは暁の日から、レシェルス区に行ってもらう。ザハノ渓谷で強力な彩石が出現して、周辺の住民が近付けず、川の水量が減り、生活に支障が出ているの。水の彩石だから、使うなり、割るなり、移動させるなりしてもらいたい。手段は任せる。あと、もし川の水量が戻らなかったら、原因を調査してもらいたい」 サリは緊張の面持ちで、分かりましたわ、と言った。 今回は国内とはいえ、ひとりでやるのだ。 「かしこまりました」 一緒にいたハルも応え、サリはそちらを見た。 少なくとも、ひとりで行くわけではないのだと、小さく、ほっと息を吐く。 「そういうことだから、半の日は、騎士団と護衛団は計画を立てて、準備をしてもらう」
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