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       ―Ⅱ―    執務室を出ると、サリ、ミナ、デュッカは王城の自分たちの居室に戻ることにした。 荷物は、既に各居室に運ばれている。 サリとミナは、土産配りの順番を話しながら歩く。 ミナは、護衛がいなければ外出できないので、王城に居る者の所だけ回ることにした。 「わたくしも王城だけにしますわ。残りは明日、一緒に回りませんか?」 「うん。あとで明日の護衛頼みに行かなきゃ」 デュッカはふたりの後ろを歩きながら、そんなことよりミナの(そば)でまったりさせてくれないだろうかと考えていた。 居室に戻ると、サリは土産を分け、今日、配れそうなものだけを持って居室を出た。 まずはミナの所へ行って渡し、自分ももらうと、デュッカの居室で彼にも渡す。 少し部屋で待つとミナが来たので、ふたりで再度政王執務室へと向かった。 部屋にはまだルークとスーがいて、もうすぐ茶の時間なので、それまで居るとのことだった。 ふたりと、アークとユラ-カグナとシィンに土産を渡すと、サリとミナは側宮護衛団居室に入った。 誰もいない部屋に土産を置いて、次はハイデル騎士団居室へ。 そちらには、ムトとハルとセラムがいて、机の上に大きな地図を開いて話していた。 見せてもらうと、それはアルシュファイド全体の立体地図で、サリとミナは興味を持って眺めた。 「意外に起伏が多いんだねえ。でも馬車道は平坦みたい」 ミナが言うと、セラムが頷いた。 「結界石の場所はまだ判らないんだが、レグノリアのように整備された馬車道が通っていると思う。祭王が通る道だから」 「あっ、そだね」 「今日はもう帰られた方がよろしいのでは?皆さんお疲れでしょうに…」 サリの言葉に、ムトが頷く。 「言ってやってくれ。ハルは地図が見たいと言うし、セラムは精算やら使わなかった旅の荷物の整理やらがあると言ってここにいるんだ」 ミナは困ったような顔をして言った。 「うーん、それは半の日に、みんなで手分けしてやるのがいいよ。私の護衛は減らして」 「それはできない」 「うーん…。あっ、じゃあ、荷物の整理や準備に、見習いの子たちを借りたら?」 ミナの提案に、ムトが、ぽん、と手を叩いた。 「それがいい。実際手が要るのはそっちだからな。それでいいだろ」 「だが精算は…」 「それはマルクトが適任だ。てことでいいだろ。帰るぞ。ハルも」
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