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膨大な水の力量保持者である水の側宮が結界構築を行い、稀有な能力を持つ彩石判定師が彩石の判定を行い、アルシュファイド王国の武力である彩石騎士たちが軍事的圧力をかける。
そして残りの者たちは水の側宮と彩石判定師を守るのだ。
現在休戦状態にあるとはいえ、3国はいつ戦が始まるとも知れない緊張状態にある。
そんな危険な旅に自国の民を…ことさら親しい人たちを送り出すことを、アークは決断した。
不安はある。
だが、やらずにはいられない。
そんなアークだからこそ、皆、手を貸してくれる。
ありがたさを胸に刻みながら、アークは、3人と朝食を共にした。
食後、7時半ばになると、サリは自分の居室へ、アルとファイナは彩石騎士居室へと向かった。
アークは、ひとりになって、気を引き締める。
今日の最初の仕事は、そんな23人を送り出すことだ。
大丈夫、きっと。
役目を果たして、無事に帰る。
アークは深い息をひとつ吐いて、顎を上げ、前を見据えた。
振り返ったりしない。
この決断のためにどんなことが起こっても。
アークは前を見て事に当たる。
そんな気構えをする、朝であった。
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