13人が本棚に入れています
本棚に追加
ハイデル騎士団のマルクト・シラキウスと、ファル…ファロウル・シア・スーン。
シェイド…シェイディク・カミナ・レントと、こちらも案内役を兼ねるゼノ・カンツォーネ。
そして彩石騎士のファイナ。
先行しているステュウ、ゼノ、ラシャを含めると、アルシュファイド王国から26人、ザクォーネ王国の案内人1人の、全部で27人だ。
「いよいよ始まるんだな」
アニースの言葉に頷きながら、セラムとムトは、ああ、と答えた。
時間が迫ってきて、セラムとムトは荷物を持ち、3人で居室を出る。
王城の玄関を出ると、ハイデル騎士団や側宮護衛団がいて、荷物を馬車に積み込んでいるところだった。
朝の挨拶をしながら、自分たちも荷物を積み込んで、玄関前で待っていると、時間前に玄関扉が開いて中から数人が出てきた。
まずは荷物を持ったアル、ファイナ、カィン、ザハリラで、彼らは出てくるとすぐ、馬車に荷物を積み込んだ。
それからあとにシィンと、宰相のユラ-カグナ・ローウェンと、王城書庫管理官のテオ…マエステオ・ローダーゴード、政王アークが続いた。
シィンは一同を見回すと、朝の挨拶に続けて言った。
「馬車に乗ってくれ。すぐに出る」
その言葉に従い、騎士たちは並んでいる馬車に分乗していった。
セラムとムトは馬車の外で待ち、やがて再び玄関扉が開くと、サリとリザウェラとスエイドのあとに、イルマが出て、彩石のニモと鳥を連れたミナ、デュッカ、最後にパリスが出た。
スエイドとパリスとデュッカは、それぞれが持っていた荷物を馬車に積み、その間にサリとミナはユラ-カグナとテオに別れを告げた。
そのあと、アークとシィンを含み、旅の一行を乗せた馬車は、すぐに動きだす。
行き先はすぐ近くのレテリム港。
アルシュファイド王国南端の大陸最大の湖、レテ湖にある港だ。
一行は、今回の旅では、今、接岸している船、バルタ クィナールに乗り込む。
船の近くで馬車を降りると、騎士たちは荷持ちたちの手を借りて荷物を船に運び込み、サリたちは、見送りに来てくれた者たちと別れを惜しむ。
「…それじゃあ、くれぐれも無理はしないでね。絶対よ!」
アークに言われて、ミナは困ったように笑う。
「気を付けます」
すると、それを見ていた土の宮公ロア…ロアセッラ・バハラスティーユ・クル・セスティオが口を挟んだ。
「君が無理をするとカィンが休まらない。覚えておいてくれ」
最初のコメントを投稿しよう!