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「運転ありがとうございました。疲れたでしょ?」 「帰りは永野に運転してもらおうか」 「えっ?私、もう七年もペーパードライバーなんですけど」 「冗談だ。運転は好きだから苦にならない」 「そんな意地悪言わないでください」 課長の方を向いてむくれて見せると、そこで課長と目が合った。 眼鏡がないと課長は少しだけ若く見える。 会社でのクールな眼鏡も好きだけど、こうした柔らかな雰囲気の課長も好きだ。 それに……。 さっき見た裸の後ろ姿はちょっとした彫刻のようだった。 逆三角形の背中に引き締まった臀部。 思い出すとはしたない妄想をしているみたいで、落ち着かない気持ちになる。 「夕食は炭火焼きでしたよね。ビールがすすみそう。あ、余力があったら、お食事処にあったバーにも行ってみませんか?」 誤魔化すように会話を続けていると、課長の視線が私の顔からゆっくり下へと降りていくのが見えた。
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