祭り

8/19

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
「まだ痛いわ。」 お腹をさすりながら丸水神社へ歩く美空と雄平。 「あんたがいつまでも寝とるでやろ。」 背中をバシバシと叩きながらさっさと歩けと言う美空。 それを遠くから見つめる親父とお袋それに美空のお袋。 「あいつら夫婦みたいやのぉ。」 親父がぽつりとつぶやく。 「あら、美空の事もらってくれるの?雄平君。」 美空のお母さんはとても美人だ。 美空はお母さん似。 「雄平にはもったいない子やわ、美空ちゃんは。」 お袋は美空のお母さんと同級生で仲が良かったと聞く。 「何言うとんの、もらったってもらたってー。」 「ほれ、お前らのんびり見送りしとらんと準備せぇ。」 水神祭りには村のほとんどの住民が参加する。 と、言っても村人の数なんて知れている。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加