好き嫌いはダメ

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「ごめんね」  振りほどくとシェパードは受け身も取れず地面に落下する。その間にもう届かないくらい柵を登ってその犬を見下ろした。  そして一言謝った。  安置にたどり着いた事で一瞬の心の余裕を得て、私はその余白をシェパードの謝罪に当てた。  このワン子には何の罪もないのに暴力を振るってしまったことに罪悪感を拭いきれなかった。言葉は通じずとも言葉だけは残しておきたかった。 「行かなきゃ」  
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