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そんな二人と一匹が歩いている時だった。
「あれ、なんかゆっくりこっちに歩いてくるんだけど…」
おぼつかない足取りでふらふらとこちらに歩いてくる人影が小さく見えた。
遠くにいるから小さいのか、近くにいてもサイズが小さいのか。
日暮れに近い森でなかなか遠近感がつかめず人影の正体もわからない。
「なんだあれ。ゾンビか?」
「ひっ、ぞ、ゾンビ…!?」
涙目のルーシィ。おびえる彼女をハッピーは後ろからつつく。
「ひ、ひぎゃああああああ!!!?!?!?」
まさか後ろからもゾンビかと悲鳴をあげる。
「ルーシィがひっかかった」
お決まりのニヤニヤの顔を見せるハッピーを全力で追いかけて引っ捕らえる。
お仕置きをしているうちにナツがそのゾンビかもしれない人影に近づく。
「あ、ちょ、ナツ!!!」
慌ててルーシィもハッピーを抱えて追いかける。
追いついてみると、そこにいた人影はとても小さかった。
小さな女の子だった。無造作にはねた、ルーシィほどの長さの淡いエメラルドグリーンの髪。
ガリガリに痩せこけ、目はほとんど閉じているに近く瞳は見えず、肌も服もぼろぼろで、細い腕はお腹を押さえている。
「おい、お前!大丈夫か!?!?」
ナツは少女のあまりにも悲惨な姿を見つけて駆け寄る。追いついたルーシィも状況を察知するや否や駆けつけて様子を見る。
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