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「しっかしこいつ…街に戻ったらじっちゃんに診せるか近くの診療所でもいかなきゃな…」
未だに眠りこける少女を見てそうつぶやく。
「あれ?なんでこいつ森を歩いていたんだ…?」
迷子なのか、旅人なのか、帰る家はあるのか。この少女はなぜこんなにもボロボロの格好をしているのかも謎だった。
「起きたら本人に聞けばいいか」
自己完結しているとルーシィとハッピーがもどってきた。
比較的怪しくなさそうな茸とおかゆなどによく使われる薬草を少しばかり抱えたルーシィと、一匹だけの魚を持って笑顔で戻ってきたハッピーだった。
「おいハッピー、なんで一匹なんだよ」
「これしかつれなかったんだよ」
「まさかお前だけ食うんじゃねーだろうな」
「オイラが釣ったんだからいいじゃん」
一匹しかいない魚を取り合いになって喧嘩が始まるが、腹は減る一方だ。
仕方ないと火にかけて焼いてみんなでわけっこした。
「明日はとっとと帰ろうぜ…俺もう腹へって死にそう…」
空腹のあまり倒れてしまったナツとハッピー。
しょうがないとルーシィは一人で少女に薬草と焚き火で焼いた茸を口に含んで食べさせると、自分も翌朝は早く起きれるように眠りについた。
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