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「辞めな、銀二!」
甲高い女性の声が響き渡った。
呼ばれた男、銀二は拳を止め、声の主の顔を見て、
「なんだ居たのか、純玲(すみれ)団長」
真っ白な特攻服に身を纏う、身長148㎝程の小柄な女性。
彼女こそ、現在最強ギャングランキング3位の琉樹(るーじゅ)の団長、つまりマスターである。
「銀二、我々は純粋な走り屋だ、抗争など興味ない、あんたが一番に拘る気持ちは解るが・・・私の前で意味のない暴力はやめろ」
冷たく吐き捨てられた言葉を聞いた銀二は、
「団長のいう事は俺の中で絶対だ、もうやめるよ」
「同情はいらん!こいよ、続きやろうぜ銀二!」
両膝を地面につけながらも、必死に抗うガラシャツ。
銀二はその瞳を寂しそうに見つめながら、
「ごめん、俺の中で団長純玲さんの言葉は絶対だから」
「後悔するぞ!俺を生かしておくと!」
「後悔したいから、強くなってまた対戦しよう、こんな雨の雨の日じゃなくてな」
そう言って、悔しがるガラシャツを置いて銀二は、バイクにまたがった。
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