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あれだけ激しかった雨は上がり、銀二と純玲は、新武玲市が一望できる夜景スポットに来ていた。
「純玲団長、ガラシャツは絶対強いから今のうちに止め刺しときたかったな」
「私は付いた時は、勝負は見えていた・・・銀二、お前の負けるところがな」
タバコに火をつけた銀二が純玲の言葉に驚きながら、
「は?団長、何言ってんの?どうみても俺が勝ってるっしょ?」
「アイツ、ポケットにナイフ仕込んでたよ」
「え、マジ!フェアじゃねーな」
「銀二は強いけど真っ直ぐだからな、あの手の相手は気を付けるんだよ」
「流石、団長!」
二人が街の夜景を見ていると原付バイクが転ぶ音が聞こえた。
その音を聞いた銀二は、
「おいおい、大丈夫かよ」
そう言って転んだ女子に掛け寄った。
「あ、大丈夫です!いてて」
まだ少女にも見える女の子。
「ほら」
「あ、ありがとうございます」
少女は銀二の手を強く握り、そして立ち上がった。
この出会いが、2人・・・そして新武玲都市にとって歴史を揺るがすものになるとは、この時、誰も知らなかった。
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