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「翔太~走ろうぜ」
何処にでもある住宅街。
天気のいい昼間。真下翔太は家の前で自分の中型バイクを洗っていた。
そんな彼に声を掛けてきたのが近所に住む高校1年生、優希だ。
彼女は翔太の一つ下の何処にでもいる普通の女の子だ。
「走ろうぜってお前、原付しかないだろ、それに同じギャングのメンバーと走ればいいじゃんか」
「え~翔太も走ろうよ」
ふてくされる優希を横目に翔太は、自慢のバイクに手入れをする。
「ってかさ、うちのギャングメンバーひとり抜けるんだ」
「へー」
「へーって何よ、少しは興味あるでしょ?」
「ねーよギャングなんて、つかお前らギャングって名乗ってるけど、全然走ってねーじゃねーか」
翔太のその言葉に、少し俯く優希。
優希もまた小柄な黒髪の女の子。
むしろギャングなどには見えない。
「いや、本気で走るなら武闘会に出ないといけないし、怖いから・・・」
「だろ、そんなんじゃダメ、やるなら頂点目指さないと!」
怯える優希に、無謀ともいえる発言をする翔太。
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