第1章

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夏休みも終わりに近付いてきたある日の夜、僕が本を読んでいるとホームズが珍しく話しかけてきた。 「ワトソン、君はロンドンに来て少し経つけど、ロンドン観光はしたことが有るのかい?」 「そう言われてみれば!全然学校から出てなかった…」 ホームズに言われてハッと我に返る僕。 「夏休みもそろそろ終わる、最後ぐらい有意義に過ごさないか、…僕が案内するから」 そういってホームズが投げて寄越したのは彼愛用のロンドン市街地の地図帳だった。 彼なりの優しさについ頬が緩む。 「来週の日曜だ、好きな場所を教えて」 そう言い残して寝息を立て始めたホームズに僕はありがとうというと、枕元のライトを点け地図帳をめくり始めた。
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