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そんなある日、父の古くからの友人から手紙が届いた。
何でも、息子さんがカフェをオープンさせるから
お客として来てほしいというものだった。
本当は乗り気じゃなかったけど
父の代わりに来てほしいと言われると
無下にも出来なかった。
それに、お店の場所が
以前父が経営していた喫茶店のあった場所だったということが
足を運ぶ最大の理由となった。
私と母は、父の代わりにそのカフェに出掛けた。
メニューは、普通のカフェと変わらない。
コーヒーやら紅茶やら軽食がメイン。
あとは、パスタやコロッケにハンバーグ。
メニューに載っているハンバーグの写真を見て
私と母はハッとした。
父の作るハンバーグと似ていたから。
でも、ハンバーグなんて、誰が作ってもこんな形になる。
そう思いながらも、この店のオーナーが出てくるのを待った。
その人は、両手にハンバーグの乗った大皿を持っていた。
そして、何も言わずに私たちのテーブルに置くと、
一礼して一歩後ろへ下がる。
私と母は顔を見合せ、ナイフとフォークを手に取り
ハンバーグを切って口に運ぶ。
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