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「菊ちゃんは、人が怖いかもしれない。
でも、みんながみんな怖いわけじゃないよ。
少なくとも俺は、菊ちゃんを怖がらせたりしないし、味方になってあげる」
どうして……。
どうして黒田君は、ここまで僕に優しくしてくれるんだろう。
僕は黒田君に、何もしてあげていないのに。
「菊ちゃんが見たこともない世界を、俺が見せてあげる。
俺と仲良くしてくれるなら、きっとそれが可能だから。
だからさ…」
そう言うと黒田君は目を細めて、僕にそっと顔を近づけて来た。
「これからも、ずっと仲良くしよ」
「黒田君……」
そう、だね。
僕もそうしたい。
少しずつでいいから。
もっと黒田君に近づきたい。
黒田君が見ている世界を、
僕も見てみたい。
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