第2夜 ー新人ー

3/14
前へ
/1020ページ
次へ
 確かに神藤は、あの少年を殺してしまった。  これは人殺しになるのだろうか?  捜査を行っていると言っていたので、いずれ犯人として、神藤の所に警察がやって来るのだろうか?  でも少年を殺したのは夢の中。  たまたま事件と、夢の内容が重なっただけでは?  神藤は当然少年のことは何も知らないし、現実に会ったこともない。  それなのに殺すだなんて、あり得ない話である。  心の中でそう、自分を正当化する神藤の耳に、鳴り響くパトカーの音が入ってくると、びくっと肩を跳ねさせた。  どんなに良いように考えていても、完全には消せない。  人を殺した光景を――。
/1020ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1953人が本棚に入れています
本棚に追加