第3夜 ー欺罔ー

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 ふわぁと将馬があくびをすると、「あぁ……時間だわ」と言った。 「じゃあな、蓮。また」 「あぁ」  蓮が答えると、将馬はその場に座り込む。  眠るように頭を垂れれば、ここにいたのが嘘だったかのように、一瞬で姿を消した。  それを見届けた後、蓮の頭の中でゲーム終了の声が流れる。  フードを脱ぐと、そこから端整な顔立ちに相まった、銀色の髪が姿を見せた。  蓮はくるりと扉の方を向くと、何の躊躇いもなく屋上から落ちていった。  真白な校舎の上に、深い闇のように真っ黒な空が広がる。  そこに浮かび上がる満月は皓々(こうこう)と光っており、美しくも不気味であった。 「姫依を殺した新人か」  落下していく風を切りながら、蓮はふっと笑みを浮かべる。  その刹那。蓮の姿は幻のように消えた。
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