第4夜 ー黒馬ー

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 ゆっくりと開いた目に映ったのは、毎朝見る景色。  驚いた神藤は、ガバッと飛び起きた。  ――ここは、自分の部屋?  見慣れているはずの景色が、何処か信じられない。  神藤は辺りを見渡した後、何かを思い出し、慌てて腹に目を向けた。 「ない……」  服には血の染みがない。今度は服を捲り肌を見てみるが、やはり血どころか傷痕すらなかった。 「どうなってるんだ……? 確かに刺されたよな?」  刺された時の痛み。薄れていく意識。  あれは本物であった。嘘ではなかった。  だが腹にはその形跡はない。  神藤は大きな息を吐きながら、右手で顔を覆った。  斧を持った男に追われ、女に刺され、死にそうになったこと。  死んだと思ったのに、生きている。  やはり夢であったのだろうか?
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