第4夜 ー黒馬ー

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「あ……。ああ……」  口から零れる言葉は恐怖によるもの。  朝里の目は泳ぎ出し、開いた口が小刻みに動く。  視線は神藤を見ておらず、不思議に思い後ろを振り返ってみた。  ――そこにいたのは、1匹の黒馬。  闇のような色をし、体の輪郭は炎のようにゆらゆらと揺れている。  それを見て神藤は、ハッと目を見張った。  その黒馬はアプリのアイコンに描かれていた、黒馬の絵とそっくりだったからである。  神藤にも緊張が走り、ぶわっと汗が吹き出た。  何故だか分からないが、黒馬から言いようのない恐怖が押し寄せてくる。  ふたりが見つめる中、黒馬の赤い目が開かれた。 「ひっ!」と朝里が悲鳴を上げると、後ろにいたはずの黒馬は、気付けば朝里の背後にいた。  カランと、朝里の手からナイフが落ちる。  だが落ちたのはナイフだけではなかった。
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