第4章

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抉りこむように穿ち続けて自分の快楽を追う。 ぐったりと身体を投げ出した多紀さんは、 もう声を上げる力もないようだった。 そのまま彼の奥で欲望を開放したかったけれど――ぎりぎりで引き抜いて、 彼の腹部に熱をばらまいた。 中から引き抜いた途端、 身体を支えていた芯が抜かれたみたいに、 彼がかくりと首を落とす。 意識を失うようにして眠りについた多紀さんを見下ろして、 俺は唇を噛んだ。 荒れ狂うような欲情が去って、 少しづつ思考が戻ってくる。 酷いことをしたという後悔に混じって、 もっと欲しいと言う熱望が背筋を焼く。
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