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もっと抱きたい――めちゃくちゃにしたい。
多紀さんの身体の奥の奥まで快楽を刻み込んで、
俺に抱かれた事を二度と忘れられないようにしてしまいたい。
昏い欲望をかろうじて振り払うと、
俺は多紀さんの身体を濡れタオルで清めた。
寝室から持ってきたタオルケットで冷え切った身体を包みこむ。
涙の痕が残る頬に、
指を触れた。
「――すき」
ごめんなさい、
と言おうとした唇から出た言葉に、
自分ではっとする。
そう、
好きなんだ……俺は、
この人が――多紀さんが。
初めて会った時から、
ずっと。
たとえ自分のものにはならない人だとしても、
それでも。
「すき、
です」
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