第4章

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真っ赤に染まった顔で多紀さんが見つめてくるから。 口腔に残っていた欲望の残滓を、 わざと音を立てて呑み込んで見せた。 舌でゆっくりと唇を舐める。 多紀さんの頬が引き攣った。 「あお……」 「美味しいよ」 彼の言葉を遮って言う。 「早いね……口でしてもらったこと、 ないの?」 じゃあここも舐められたこと、 ないよね。 そう囁いて、 くたりと力の抜けた下肢にもう一度顔を埋める――ただし彼が思うより、 もっと下だ。
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