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「と言う訳で、八重の分も作ってもらっていいかなぁ?」
夕食の片付けを手伝いながらおばあちゃんにお願いしてみると、にっこり笑って頷いてくれた。
「あらまあ、そんなに喜んでくれるなら張り切らなきゃ」
「ありがとう!」
盛り上がっていると、ドアの開く音が聞こえた。
「寛貴が帰って来たみたいだね」
「・・・・・・」
何か急に楽しくなくなった。
「おかえり寛貴、ご飯食べなさい」
そう促すおばあちゃんに、兄はぶっきらぼうに答える
「食ってきた」
まただ。
「せっかくおばあちゃんが作ってくれたんだから食べなよ!」
「ウザい」
そう言って兄は部屋に入って行った。
「何!あの態度!」
あーっ!ムカつく!
「おばあちゃんはお兄ちゃんに甘すぎだよ!だから暴走族になんか入っちゃうんだ!」
おばあちゃんが少しだけ寂しそうな目を見せた。
「寛貴は....本当は優しくて良い子なんだよ」
全然優しくなんかないっ!
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