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そうして少しばかりの間、僕らはお互いを見つめ合ったまま無言。
なんなの、この変な間。
僕が沈黙に耐えきれなくなり、切なる思いを吐く。
「僕は天才が嫌いなんだ。もし君がなんらかの天才なんだったら友達にはなれないよ。もちろんジニアスの生徒であれば余計に友達になんかはなれないね」
「アハハ。ミーは天才だよ。でも普通の天才とはちょこっと違うかも。ていうか誰が友達になってって言った? ジュースを買ってちょって言ったんだよ。自意識過剰、乙」
彼女がころころと笑う。
とても的確なきつい発言で僕のガラスのハートを粉々に砕きつつ。沙理りん、君には他人を思い遣る心はないの。泣きたくなる。しかしながら悲しい気持ちを抱えながらもなんとか言葉をしぼり出し反論できた。
「なんの脈絡もなくジュースを買ってちょってなんだよ。自分が美少女でちょっと可愛いからってなんでも許されるって思ってない? それこそ自意識過剰、乙だよ」
「アハハ。栗林(くりりん)凄いッ! 面白い返しだね。さすがは小説家だよッ!」
えっ。
今、彼女、栗林って言った?
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