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いやいや、そんな事はどうでもいい。栗林なんて発言は気を引く為のおべっかだろう。それよりも普通の天才とは違うだって。天才の中の天才とでも言うつもりか。自意識過剰の極みじゃないか。にしても結局天才なんだから友達にはなれない。ここは強気でしかるべきだ。
「やっぱりね」
と僕は嫌みたっぷりに吐き捨てる。
彼女は僕の親がスポンサーになればいいと目論む卑しい天才だ。栗林なんて気を引くような単語を織り交ぜても騙されないぞ。僕とは相容れない人種なのだ。散華せよ。沙理りん。
彼女を鋭い視線で睨む。
「?」
「君もジニアスの生徒なんだろう。で、親の噂を聞いてあわよくば友達になれればいいと考えているんだろう。騙されないよ。友達なんていらない。友達にはなれないよ」
僕は沙理を一刀両断に斬り捨てる。
期待は持たせない。
「アハハ。なにをミィサンダスタンドゥ(勘違いしてんの)。単に喉が乾いたところにユーが通りかかっただけだよん。だからジュースを驕ってくれればさっさと立ち去るわさ。あたしはジュースが飲みたいだけ。オレンジジュース・プリーズ。オーライ?」
ハア? あんだって?
婆さんや?
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