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彼女の着る制服がジニアスのものだ。
多分、同級生だろう。
つまり天才。
僕の目が大きく見開かれる。そしてそそくさと動いていた足が止まる。進行方向をガードされていたのだ。ぶつかる。急ブレーキをかけた。足が小石を弾き飛ばしつつ止まる。なんとか正面衝突だけは避けれたようだ。安堵で深い息を吐く。
不穏な人影は可愛い子ネコのような可憐な少女。
背は僕と同じ位か。
本当に誰?
只今の僕と彼女の距離は鼻先と鼻先が触れそうになるくらい。下手をすれば不可抗力でキスしてしまうような神イベントが起こりそうな間合いだった。
もちろん現実とは無常で神イベントなど許してくれるはずもなく……。
僕の鼻先に白く綺麗な人差し指があてられる。
改めて少女を確認する。
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