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カランカラン、と心地良い音が鳴り
レジに座っている女の子が
ダルそうにコチラへ顔を向ける。
毛先を尖らせたショートカットの髪型で
目尻がつり上がっている。
深緑色のエプロンに挿んである
ネームプレートから
名前は“暁月[あかつき]”だと分かった。
暁月はレジに座りながら
前のテーブルに両肘を載せ猫背になっている。
少なくとも好意的な態度には見えない。
入店する以上の勇気を振り絞って
正志は質問する。
「あの…」
「なに?」
タメ口…
「ココってゲームソフトの
『ミカエルの翼』を売ってたりしますか?」
すると、暁月は目を丸くした。
「なにアンタ、
ココをゲーム屋さんとでも思ったの?」
「まあ、そう」
アッチがタメ口なら
コッチが敬語で接する義理は無い。
「悪いけどココに
そんな最新のゲームソフトなんて置いて無いわよ」
「じゃあココって何を売っ…」
そのタイミングで
カランカランという音が鳴り
若い女性が店に入って来た。
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