chapter.1

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カランカラン、と心地良い音が鳴り レジに座っている女の子が ダルそうにコチラへ顔を向ける。 毛先を尖らせたショートカットの髪型で 目尻がつり上がっている。 深緑色のエプロンに挿んである ネームプレートから 名前は“暁月[あかつき]”だと分かった。 暁月はレジに座りながら 前のテーブルに両肘を載せ猫背になっている。 少なくとも好意的な態度には見えない。 入店する以上の勇気を振り絞って 正志は質問する。 「あの…」 「なに?」 タメ口… 「ココってゲームソフトの 『ミカエルの翼』を売ってたりしますか?」 すると、暁月は目を丸くした。 「なにアンタ、 ココをゲーム屋さんとでも思ったの?」 「まあ、そう」 アッチがタメ口なら コッチが敬語で接する義理は無い。 「悪いけどココに そんな最新のゲームソフトなんて置いて無いわよ」 「じゃあココって何を売っ…」 そのタイミングで カランカランという音が鳴り 若い女性が店に入って来た。
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