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正志は嫌々ながらも営業スマイルで対応した。
「い、いらっしゃいませ。何かお探しで…」
「EGGを寄越せ」
「えっと、
卵ならこの先のスーパーにありますが…」
「違えよ!
EGGも知らねえのか、このアーズが!」
スキンヘッドは言いながら
透明なショーケースを指差す。
そこには、一昔前に流行った
卵型育成ゲームが置かれていた。
「あぁ、たまご○ちの事ですか。
えっと…、三千円になりま~す」
すると、スキンヘッドは
汚い巾着袋をひっくり返して
中身の小銭を全てブチ撒けた。
「えーっと、1、2、3…」
「早くしろ、アーズ!」
アーズって何だよ…
頭の中で愚痴りながら数え終わる。
「あの、少し足りない様ですが…」
「うるせえな!少しは負けろ!」
あーあ、めんどくせ。
正志は半ば諦めて
ショーケースからたまご○ちを取り出す。
その時、店の奥から暁月が飛び出して来た。
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