秘密

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「Today, I have to go back to my residence, so I will catch the last train. (今日は終電で寮まで帰らなきゃいけないんだ。)」 ギルの通うカレッジは、全寮制の男子校らしい。先週は友達がうまくごまかしたらしいが、毎回そうするのは良く無いとお互いの意見は一致した。 「Thank you for coming. I was really glad that you talked to me. (来てくれてありがとう。声掛けてくれて嬉しかった。)」 ギルは店を出るときからずっと、手を握っていてくれた。胸が高鳴っているのに、安心する。ギルの匂いが近くに感じられて、夢でないことを噛み締めた。 フラットに戻ると、エマも外出していた。 私の部屋に入ると、すぐにギルが後ろから私を抱きすくめる。 「I have loads of things to tell you. (君に伝えたいことがたくさんあるんだけど) 」 そう言いながら、ギルは私の胸に服の上から触れた。 「あっ……」 さっきのキスで、身体は熱を宿していた。 「Firstly, you need to be settle down, Aki. (まず初めに、身体を落ち着かせてあげる。)」 自ら上着を脱いだところで、ギルは私の手を止めた。 「Gill?」 不思議に思ってギルを見上げると、私のトップスの裾から手を入れて、胸の下着を上にずらした。 胸の蕾が露わになって、私は恥ずかしさで身をよじる。せめてベッドに……そう思ったけれど、部屋のドア近くで抱きすくめられたまま、私は動けなかった。 「Is it nice? (どう?)」 私の反応は分かっているのに、ギルは耳元に唇を寄せて尋ねる。 「Why are you bugging me? (何で意地悪するの?)」 私の身体を少しだけ少しだけ回して、ギルは深く深くキスをした。 ギルが言うには、今日私は「狙われていた」らしい。私が4人の男性に声を掛けられたのも見ていたし、仕方なくダンスホールに脚を進めたのも見ていたらしい。 「Why did you sitting on the chair with such flirting outfits? (なんでこんないやらしい格好で、椅子に座ってたの?)」 私はびっくりして、ギルを見つめた。 「Your body was telling them that you were horny. 」 意味がわからなくて、ギルに伝える。 ーー君の身体がセックスしたくてたまらないって、そう言ってたんだよ。 そう説明されて、私は羞恥心で顔を覆った。
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