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「You might think the day we spent the night was our first meetーー(俺たちが一晩過ごしたあの日が初対面だと思ってるだろうけどーー)」
ーーでも、そうじゃない。とギルは言った。
意味がわからずに彼を見つめると、少しだけバツが悪そうな表情をしていた。
話を聞くと、私を含めた日本人グループをCLUB edgeで見かけたのは、夏も終わろうとする、9月中旬。小さな街なので、東洋人は目立つ。肌、髪、体型も違う。年頃の男の子が集まれば、自然と女の子の品定めが始まる。その時はただ、それだけだった。
そんなことが数回続いたらしい。だから私が何処かで無理をしながら声を掛けられた男性と踊っていたのも見ていたし、春香がお酒に飲まれる様子も、結実と紗央莉が踊らないのも知っていたらしい。
私はちょっとビックリしたが、静かに相槌をうちながら話を聞いていた。
私に声を掛けた日も、日本人に声を掛けられるかどうか友達と賭けていたらしい。
「So you caught me? (だから私に声を掛けたの?)」
「Yes, I'm sorry. (そう。ごめんね。)」
私は笑って首を横に振る。
「I was turning on since when we kissed. I felt that you were horny, well…… I was cherry at the time, so just…… I droved myself by greed. (キスで興奮した。君も同じだって感じてたし、つまり、あの時はまだ童貞で……だから、欲に駆られたんだ。)」
しかし、私の様子は想像とは違っていたらしい。
「You wanted me so much, but your body tried to refuse me. I thought you might have bad experience in the past. (君はセックスしたそうだった、だけど君の身体は俺を拒もうとしていた。それできっと、何か昔嫌な経験をしたんだとおもったんだ。)」
ーーそこから冷静さを取り戻した。傷付けたく無かったから。
そう言った彼は、名前を聞くのを忘れてた時点で冷静じゃ無かったけど、と言いながら笑った。
私は涙が頬を伝うのに気付いた。
痛みしかないセックス。それしか知らなかった私をギルが変えてくれた。あんなに感じたのは、単に身体の相性だけの話では無かったのだ。ギルの精一杯の思いやりが、私の身体を包んでいたから。
ギルが私の胸の蕾をそっと口に含んだ。熱い舌が私の胸の蕾を転がす。それだけで私の口から声が漏れた。
ーー嫌がることはしないから、そう前置きして、ギルが私の手を掴んでそっと彼の下腹部に引き寄せた。
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