49人が本棚に入れています
本棚に追加
ーーそれから1年以上、ユウジとの付き合いは続いた。
ユウジは私の前にも付き合っていた人が居たらしかった。行為に積極的になれない私に、ユウジは年上らしい口振りで、幾度となく突き放したような言葉を投げ付けた。
「亜希は全然動かないからなー」
ユウジが私に教えたのは、男性の服の脱がせ方と避妊具の付け方、そして身体の痛みだけだった。
そう思えるのは今だからこそ。その時はユウジを満足させられていない自分がダメなのだと思っていた。
留学が決定して、ユウジは私を引き留めた。
1年以上会えないなら、別れるしかないとユウジは泣きながら私に言った。
私はーーたった1年が待てないのなら、将来は無いと思ってしまった。
私はその2週間後、留学先に飛び立った。
最初のコメントを投稿しよう!