初めての体験

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ベッドで眠る彼は、見た目は男性というよりは少年という表現がぴったりだった。 しかし、肌を重ねているときはある意味でユウジよりもずっと紳士的だった。 セックスの表現を英語で言うことに慣れていない私を気遣い、常に目を合わせて様子を見てくれた。そして、私が痛くないか、気持ちよくなっているかを気にしてくれていた。 ーーそして、おそらく彼は【初めて】だったに違いない。私は彼を手伝って避妊具を付け、手を添えて私の中へ導いた。 お互い、1度では飽き足らずにキスを重ねて身体も重ねた。 そこまで思い返して、私は我にかえる。 優しく肩に触れると、彼は目を開けた。 「Good morning.」 気だるい顔は本当に少年だった。掠れた声で彼が言った。 「Can I have something to drink?(何か飲み物ある?)」 言われて気付いたが、私も喉がカラカラだった。 キッチンから水の入ったボトルを持ってきて、彼に渡す。2人で一気に水を飲み、また顔を見合わせた。 「I totally forgot to ask your name, may I?(名前を聞くのをすっかり忘れてて、聞いてもいい?)」 私が尋ねる。 「Sure. I am Gilbert. Call me Gill.(もちろん。俺はギルバート。ギルでいいよ。)」 「I amAki. Are you a student?(私は亜希。あなた、学生?)」 「Yes. I'm a student of the W college.(うん、Wカレッジに通ってる。)」 ーーW カレッジ。あの有名校に付属しているカレッジだ。外国人の私ですら知っている。 「I think the college must be located at the neighbor city. ……wait. How old are you?(そのカレッジ、隣町よね?待って。あなた何歳なの?)」 「I am 17.」 「Seventeen!!?」 年齢を聞いて、思わず声を上げてしまった。若い若いと思っていたけど、まさか…… そして頭の中に、未成年淫行や強制国外退去という言葉が浮かぶ。 すっかり青ざめていると、ギルは笑って言った。 「I don't know about your country's roles, but here in this country, we have made out regally.(君の国のことは知らないけど、この国では僕らのセックスは合法だよ。)」
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