初めての体験

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聞けば、この国では16歳からは性的に未成年とはみなされない。だから20歳の私と17歳の彼のセックスは、お互いが合意の上なら問題ないということだ。 身体の力が抜けて、ベッドに座り込む。 そんな私を見て、ベッドに近づいて笑いながらギルが言った。 「I have never expected that you go weak in the knees otherwise than kissing with me. (俺とのキス以外でも力が抜けるんだな。)」 その言葉を恨めしく思ってギルを見上げると、優しいキスが降ってきた。 昨夜、何度も何度も達した身体は簡単に火がついた 。バスローブの下には何も身につけていないことに今更気付く。彼もシーツの下はきっと……。 私の身体には石鹸の匂い。彼の身体には昨夜の匂い。それが妙に恥ずかしくて、私はギルにしがみついた。 「I want to do it more, but I don't have extra protections. (もっとしたいけど、予備のゴムは持ってないんだ。)」 さっき水を取りに行った時だろうか。部屋に落ちていた避妊具は、ゴミ箱に片付けられていた。予備がないのは私も知っていた。 「I can't blow the fire. (身体が熱いよ。)」 私がそう伝えると、ギルは笑いながらキスを続けた。 「Please keep it until we will meet again. (次に会う時まで、その火を消さないで。)」 濡れた欲望をしまい込んで、私はギルを見送った。 ギルが去って、ベッドに座る。ギルの匂いがする。今日の授業は午後からだ。身体がすごく重たくて、そのまま横になる。 さっきのキスと、ギルの残り香が私の身体をかき乱す。ユウジと1年過ごして得られなかった快感を、ギルが一晩で私に教えてくれた。 1度目は自ら手を伸ばし、彼の熱を私の中に導いた。 浮かせた腰は揺れた。ギルは初めてだったのに、私は彼より早く達してしまった。きつく締め付けた私の中で、ギルは声を漏らしながら熱をそそいだ。 1度では飽き足らず、2度目は彼を見下ろして、腰を深く埋めた。秘部は濡れて、水音が響く。 繋がったまま、ギルは上半身を起こして私にキスをした。たまらなく熱くなって、私は腰を上げて下げて、汗ばんだ彼の腰に手を置いて動き続けた。
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