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携帯を閉じポケットにねじ込んだ。
ガムを膨らませパチンと潰す。
まるでそれを合図にしたかのように、
ホーム内にアナウンスが流れた。
『3番乗り場に十二時四分発下り電車が入ります。
黄色い線の内側に立って・・・』
彼女はそんなアナウンスに耳も貸さず、
黄色い線から半歩踏み出した。
ホーム内のけたたましいベルの音に負けじと、
Iポッドの音量を上げる。
それに気を取られたのか、
彼女は自分の背後に近づく人の
気配に気づくのが遅れた。
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