第1章

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 (またスケベオヤジかよ) ため息混じりに振り向くのと、 その人影が勢いよく 彼女の両肩を突き飛ばすのがほとんど同時だった。 彼女は何が起こったのかわからず、 キョトンとした表情を顔に貼り付けたまま 半回転してホームから落下していった。 その直後、最終電車が彼女の身体の上を通過した。 三十メートルも飛ばされた彼女の 携帯がメールの着信音を鳴らす。 「To 好恵  援交のことは水にながしてあげるからさあ  またつきあおうぜ  でもさ ドアミラーはちゃんと べんしょうしてくれよお  マサユキ」
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