18人が本棚に入れています
本棚に追加
それからギルは、家族の趣味について教えてくれた。エマが文学少女なのは私も知っていた。一見、意志が強く現実主義なように見えて、実は王子様が現れるのを待っているのだという。
デイビッドは大のサッカーファンで、多分今頃はソフィアと寝室でテレビ観戦をしているだろうということ。
ちゃんとユニフォームに着替えるらしく、普段の落ち着きからは想像出来ない白熱ぶりらしい。
ーー部屋にたまに篭ってたのは、仕事じゃなかったんだ。真剣な顔つきで、things to doとか言ってたから勘違いしていた。
私は笑いながら話を聞いていた。
そこまで話して、ギルは私をじっと見つめた。
天体模型の棚の前で話し込んでいた私たちは、お互いに絡み合った腕に視線を落とす。
「There is another reason whitch I haven't invited you to my room. (もう一つ、部屋に呼ばなかったのは理由がある。)」
絡んだ腕を優しく解いて、ギルは私を正面から見つめた。
「I definitery want to kiss you if I have you in this room. (もし部屋に招き入れたら、どうしてもキスしたくなる。)」
そういうと、ギルはゆっくりと唇を重ねてきた。思えば引越し前に身体を重ねて以来、私たちは触れ合っていなかった。私の体調の都合もあったが、フラットに2人きりの状況とはわけが違う。自然と2人きりになることもなく、時間が過ぎていた。
ーー気持ちいい
久々に触れ合う唇の熱は、身体にじんわりと染み渡る。
「Then, if I kiss you, I can't help touching your body. (そしてキスしたら、身体に触れたくなる。)」
そう言うと、キスをしたままギルが私の胸の膨らみを揉みしだいた。
酸素を求める私の唇から、ギルは離れようとしない。
トップスと下着が同時に、やや強引に捲り上げられた。熱を帯び始めた身体に、ギルの少しひんやりした指先が触れる。
思わず身を捩ると、
「I'm a bit nervous. (ちょっと緊張する)」
とギルがはにかんだ。
それから小さく音楽を掛けて、私はベッドに静かに寝かされた。スカートのファスナーが下される。ギルも服を脱ぐと、肌を直接触れ合わせた。
「So good. (きもちいい)」
私はギルの耳元で囁く。
それを合図に、いつもより少しだけ激しい愛撫が施された。
最初のコメントを投稿しよう!