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「結木先輩から聞いたんだ。ここに居るって。無神経なこと言って、本当にごめん。だから帰ろう。」
そして諒はクレヴァン氏に向き直って言った。
「……I mean no disrespect sur, but she is my fiancee. So I won't let her go even if you love her. (失礼を承知で申し上げますが、彼女は僕の婚約者です。だから例えあなたが彼女を愛していても、手放すわけにはいきません。)」
クレヴァン氏は諒を強い瞳で見ていた。諒は決して視線を逸らさず、彼の反応をまった。
「素晴らしい英語ですね、村上さん。」
「……は?」
クレヴァン氏は流暢な日本語で返事をした。思わず間の抜けた返事をした諒は、肩を震わせて笑いをこらえている明日香に気付いた。
「え?あ、いや……そんなに日本語喋れるんですか?クレヴァンさん……」
クレヴァン氏は笑顔で頷いた。
「もちろん。明日香さんとは英語で話すけどね。結木さんも知らないから、これは秘密にしてください。」
諒は面食らったまま、勧められた席に座った。デザートが運ばれてきて、諒はますます混乱する。
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