Epilogue

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翌日、諒は先輩の結木と共に、今春入社した後輩社員数人に誘われて、社食で昼食を取っていた。 「村上先輩とやっとお話できたー!学内誌に載ってたのを見てこの会社に入ったんです。」 彼女は高橋実咲。リテールに配属されている。高橋は落ち着いている雰囲気だが、それでも溢れ出る若者の活力に、諒は押され気味だった。 ーー俺も年取ったな。 そんなことを考えながら食事をしていると、明日香が通りかかった。 結木は2人のことを知っていたが、表情には出さずに挨拶をした。 「遠藤さん、お疲れ様。」 「結木先輩、お疲れ様です。賑やかですね。」 明日香が笑顔を向けると、新入社員たちは一様に頭を下げた。明日香は少し離れた場所に座り、1人で食事を始めた。 高橋の隣に座る佐藤一勢が明日香を見つめて言った。 「結木先輩、あの人、綺麗な人ですね。」 「君は年上狙いか?遠藤さんは綺麗だよな、ほんとに。」 ーー結木先輩、根に持ってんな。 諒は結木が明日香に好意を寄せていたことをつい先日、本人から聞いていた。 「村上先輩、ID教えてください!」 高橋が携帯を取り出して言った。 「あー、俺、そのアプリやってないの。」 「ええっ……今時珍しいですね。」 ーー明日香なら逢いたいときに逢えるから要らないしな。 諒はなんの気なしに電話番号を高橋に伝えた。
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