Epilogue

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ーー声かけようかな…… 諒が迷っていると、明日香が結木を呼び止めたのがわかった。申し訳なさそうな表情をする彼女に、結木は近くのカフェを指差している。 ーーこの流れはもしや…… 諒の予想通りに、結木の小慣れたエスコートで明日香は店に入っていった。 店の横を通るが、ブラインドが下ろされた窓からは店内の様子は見えない。諒はため息をついてその場を後にした。 諒はモヤモヤした気持ちのまま、週末まで過ごした。金曜日になり重たい気持ちで出社すると、明日香の服装がいつもより華やかなことに気付いた。 ーーどっか行くのかな、今日。 手際よく仕事を片付けていく明日香を盗み見て、諒は頭の中が混乱していくのがわかった。 目線を移して、結木を見る。 ーー結木先輩はシロだな。 普段のビジネススーツを着ている結木は、おそらく今日は対象外だ。 ーーだとしたら、あいつか? 諒の頭にある人物のことが過ぎった。しかし確かめる術は無い。モヤモヤした頭は全く働かず、定時を少し過ぎたところで退勤していった明日香を見送るしかできなかった。
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