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1機のダストパンだった。
ブルームの砕く動きを、他の機体に隠されて見逃したのだろう。
鋭く回転するゴミが。
ほんの子どもの拳ほどの塊が。
空を切った。
惑星明かりを反射して。
白く光ったと思ったら。
ぐしゃり。
1機のダストパンに。
直撃した。
「 うそだ 」
ナツイチの口から漏れたのは。
衝突の一瞬前だった。
何が起こるか分かった。
何もできなかった。
思った通りに。
その小さな欠片は。
掃除屋の装備を突き破って。
鉄の鳥にぶつかった。
弧を描いて。
鳥が舞い上がり。
そして。
「落ちる…」
ハヤオは、通信機を握りしめたナツイチの手を掴んだ。
「北東、中層」
驚くほど静かな声だった。
それでも、ナツイチの肩がびくりと跳ねた。
返事はなかった。
でも一瞬の後、ブルームが。
急激に高度を下げた。
自由落下する、壊れた鳥を追い越した。
十二時班の班長だった。
その赤い銃口が。
翼を持ったゴミを。
下から。
撃ち抜いた。
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