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爽やかな日差し。心地よい風。見渡す限りの……焼け野原。
「赤とんぼぉぉぉぉ赤とんぼぉぉぉぉ」
はい。私がRPGでやりました。
数時間前まではここは大変綺麗な森でした。そこに野蛮にも踏み込んできたのはポケモンGOエンジョイ勢を装った暗殺者達。鉢合わせてコンマ一秒でたまたま持ち合わせていたロケットランチャーを構えました。トリガーを引くと凄まじい反動とともに快感の波が押し寄せます。打ち出された弾頭は先頭に立つ暗殺者のスマホにGOしてBANGゲットしたのは永遠の眠りでした。
「いやいやいや! これどう見てもただのポケモンGOエンジョイ勢だろ! なに出会い頭に吹き飛ばしてんだよ! おい見ろもう肉塊になってんじゃねぇか! どうすんだコレおいぃいっ!」
ゆうのさんがけたたましくがなりたてます。顔が真っ赤です。
「チーズインハンバーグにします」
「どうしてそんなことゆうの!?」
「これだけ材料があれば結構な量ができると思うのよね。食べきれない分は街で売ろっか」
「カニバリズムどころか営利目的になってるんですけど!?」
資源は大切に使わないとゴンゴロ様に食べられちゃうよ。はぁ? なんですかゴンゴロ様って? なんなんですか棚子さん? 頭おかしいんですか? 基地外なんですか? そこへ唐突に調子外れのサイレンが鳴り響く。ゆうのさんの肩がビクリと跳ねて首がもげるのではないかと思うほどの速度で振り返る。
「ほらぁ。ゴンゴロ様きちゃったじゃない」
「ゴンゴロ様じゃねぇよ! どこからどう見ても現地警察のパトカーだろてか一台から何人降りてくんだよ三十人くらい出てきたぞパトカー一台から三十人うわおい待て待て銃持ってるショットガンショットガンショットガンショットガン散弾銃ぅぅぅううぅぅぅうう!」
激しく混乱するゆうのさん。ぞろぞろと一台のパトカーからところてんのように流れ出てきた現地警察。心なしかお酢の匂いがして湿ってる。お酢で湿ったポリスメン。OSP……Osude Shimetta Policeman.
わたし、赤佐棚子は再びRPGを構えた。
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