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濃姫は返事をせず、その場で倒れた。その倒れた先には、濃姫の脇腹からたった今刀を抜いた直後の明智光秀の姿があった。その場に倒れた濃姫の脇腹から瞬く間に真っ赤な血を大量に流していた。
「濃!」
すぐに蘭丸は持っていた刀で光秀に飛びかかって応戦した。同時に、信長は倒れた濃姫に駆け寄って抱き起した。
「濃! 濃!!」
「……逃げ、て……。」
そう弱々しい言葉を放った濃姫は信長の顔を見て一瞬ニッコリと笑顔を見せると、その場でガクッと倒れすべての力を失った。それを見た瞬間、信長の怒りが頂点に立った。その圧倒さに吹き飛ばされるくらいの、激しくて強い叫び声が本能寺に響き渡った。すぐ傍で刃を交えていた蘭丸と光秀も、その圧倒さに思わず怯んでしまったところだ。光秀はその怯んだ隙をついて蘭丸の体を刀で一突きして蘭丸を倒した。同時に、懐から銃を取り出し、信長の心臓に向けて一発放った。放たれた一発の弾丸は、見事命中。信長はその場に崩れ落ちた。
「…お、おのれ…、許さん…。許さんぞ…、光秀~ッ!!!!!」
怒り叫ぶ信長に構わず、光秀は信長の腹に向けて再度銃を数発撃った。腹を撃たれる度に、言葉に表せない程の激しい痛みが全身を駆け巡る。真っ赤な血を至る所から吹き出し、意識も朦朧としてくる。それでも光秀は撃つのを止めなかった。
どれだけ撃たれたのだろうか、さすがに意識が薄れ、信長はとうとう力尽きた。
「貴方の時代はこれで終わりです。信長様…。」
意識が途切れる直前、その光秀の一言がかすかに耳に入ってきたが、すぐに消えていった。
高笑いをしながら焼け落ちる本堂を去ろうとする光秀。信長たちは力尽きて動く気配は全くない。
そして瞬く間に、倒れた信長、濃姫、そして蘭丸の全身を熱い炎が包んでいった。
こうして織田信長の人生は、信頼の厚かった家臣の明智光秀の手によって、この世を去った。
しかし、彼の人生は、まだ終わっていなかったのだった―――。
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